ソレイユ唯一のメンズパート、それがソレイユ・トロンボーイズ『Bon!Qっ!Bones』
練習大好きな彼らの夜のパート練習をこれからご覧頂くとしよう。
ではメンバー5人の紹介だ。
最初にトッツィ。今日の主役だ。彼の筋力はソレイユNo1。みんなよりひとまわり大きめの楽器で日々肉体改造に励んでいる。
続いてウォーリー。パートリーダーの彼は出席率ソレイユNo1。初代皆勤賞王子に選ばれたことは記憶に新しい。
そしてソレイユ初の新入団員、ウエンツとテリー(休団中)。期待のルーキー達だ。
最後に私はシン・ベルカット、長ったらしいので以後J.J.(!?)
まずは一人ずつ念入りなチューニングから始まる。
グラスに注がれる量は水位が高くても低くても駄目だ。
寸分のずれも許されない。
ましてやこぼすなどの粗相は足上げ30秒に値する。
トッツィが厳しく目を光らせる中、オイオイしっかり支えないから腕が震えてるぞ。
チューニングが終わるとトッツィの号令とともにさっそく基礎練習開始だ。
まずは5度の、いや正確には5.5%のハーモニー練習だ。
今日は4つの調で練習しておこう。はじめはキ●ン■ガー、基本中の基本だ。
キ●ンに始まりキ●ンに終わるといっても過言ではない。
これがクリア出来なければその先はない。・・かもしれない。
そしてロングトーン。
グラス1杯程度は一息でも簡単だ。
次は少し長めの500ml缶だ。循環呼吸の練習も忘れない。鼻で息を吸いながら、飲め!
1時間みっちり基礎練が終わるとトッツィが強烈な譜面を出してきた。
基礎練の音域よりも3オクターブは高そうだ。
プロでも難しいだろう。
ちなみにトッツィとウォーリーはソレイユ内屈指のハイノートヒッターなのだ。
特に東北・北陸地方の邦人作品を得意としている。
顔を赤らめながらもゴクゴクっとハイトーンのオンパレードだ。
さすがにルーキーのウエンツとテリーもフラフラだ。
J.J.はグラス1杯でゆっくりと何度もさらっているがなかなか前に進めない。
さあ、いよいよトッツィ指導によるレッスンに突入。
魔のオーディションともいうらしい。
多くのトロンボーイズがここで挫折を味わうことになる。
今日もまた、200個分はあろうかというトッツィ仕込みの餃子のネタと皮を目の前に、全員明らかに動揺している。
初めにトッツィがお手本を見せる。実に綺麗だ。力まず無駄のない大胆且つ繊細な動き。フレーズ感も自然だ。
みんなもトッツィに続くが、駄目だ駄目だ、ぜーんぜん汚い。
もっとていねいに、綺麗に、大きさもそろえなきゃ駄目だ。
そんなことじゃ食べる人におれ達の気持ちは伝わらないぞ。
トッツィのゲキが飛ぶ。
なんとかみんなアーティキュレーションやアインザッツが揃ってきたところで、最後はトッツィのソロ。
フライパンからなんとも香ばしい音が聞こえてくる。そして大きな皿にリリース。
レッスンの後は自分達の出来を全員でチェックだ。
繰り返し何度も何度も、食べる。
客観的にみるとあらためて自分達の粗さがわかる。
しかし以前に比べればかなり良くなったのも確かだ。
もっとウマくなってやる!
そんな浮かれ気味の心地よい疲れの中、トッツィの一言がみんなを現実に引き戻す。
「残さずに食え!」
トロンボーイズの夜は始まったばかりだ・・・。